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東北大学医学部は、明治5年(1872) 宮城県立医学所と同時に共立社病院を開設。この年に文部省学制により「共立学舎」として医学教育を付託されたことから、1872年を創立年としている。したがって、本年(2012年)は創立140周年を迎えることになるが、この間、多数の医師を排出して、東北全域をはじめ広範囲に地域医療への多大なる貢献をしてきた実績を有している。宮城県においても、唯一の医学部として県の地域医療に長く貢献してきたところであるが、東日本大震災を契機にその役割が益々増している。
始めに、被災後喫緊の課題である医療人材の派遣、被災された医療人の再教育支援であるが、被災直後には医学部・病院を挙げて被災地支援を行ったところであり(3.11発災直後から2か月間で被災地医師派遣総数1,588名)。一方、被災地からの医療人を受け入れ、並びに最新の医学研修を提供する場が必要との観点から地域医療に携わる人材を育成することを主目的に、文部科学省GP「東北大学総合地域医療研修センター支援プロジェクト」を平成23年度後半から実施中である。「総合地域医療研修センター」を設置し、被災地の医療人材の受け入れと最新医療の研修の場の提供(循環型人材育成と還元)を行っているが、本年6月14日に艮陵会館改修を完了し、東北大学クリニカル・スキルスラボを開設した。クリニカル・スキルスラボは学内のみならず学外にも公開し、各種講習会・研修会の開催を通して、地域医療に従事する医療人の医療技術の向上も図る。
次に、地域・災害医療に携わる人材の育成である。東北地区は従来から地域医療に携わる医師が不足しており、震災により被災地から離れる医師・医療人が増加している。そこで、我々は地域医療人材確保を目的に平成21年度から医学部入学定員増を図っており現在125名を受け入れている。また、直近の9月10日付で文部科学省、厚生労働省から公表された「地域の医師確保対策2012」に基づき、平成25年度からは更なる入学定員増を決定している。そのための医学教育体制を整えるとともに、地域医療に関わる教育を充実させる。その一環として、平成24年10月1日から、東北大学病院に総合地域医療教育支援部(専任教授)を任用したところである。さらに、最近発足した東北メディカル・メガバンク機構とも連携し、地域医療への人材支援を促進しています。
東北大学医学部は、地方公共団体(県、市)や医師会、研修拠点病院と連携し、県内外研修医等を対象に地域医療の研修・教育プログラムを実施し、震災復興・地域医療支援のため長期的に医療支援を行っていきます。
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