*第57回* (H29.4.21 UP) | 前回までの掲載はこちらから |
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今回は筑波大学での取り組みについてご紹介します。 |
筑波大学における地域医療教育の実際 |
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<背景> また、地域で活躍する人材を養成するべく、平成21年より茨城県地域枠入試を導入し、定員枠は初年度である平成21年度の5名から順次増員を図り、平成29年度には茨城県内枠26名、全国枠10名の計36名の地域枠定員を設けている。
<教育フィールドと指導体制の確保> 効果的な地域医療教育には、充実した指導体制の下で、実際の地域医療の現場で学ぶことが必要不可欠である。そこで本学では、大学の持つ教育機能を、地域医療教育に最適のフィールドに展開することをコンセプトとして、地域医療教育センター・ステーション制度を導入している。これは地方自治体・企業・団体が寄附講座等で教員の人件費や教育費を負担し、大学が教員を採用して県内の医療機関に派遣して教育を行うシステムで、上記の地域医療教育プログラムはこれらの医療機関を中心に実施されている。 平成21年には、医学部定員増に基づく茨城県の寄附講座として地域医療教育学寄附講座が開設され、県内有数の医師不足地域である神栖市で地域滞在型の実習を開始した。また同じ年には、水戸協同病院に筑波大学附属病院水戸地域医療教育センターが設置された。同院では、総合診療科を設置して診療教育体制を大幅に強化し、市中病院でありながら大学病院の教育機能を持つ先進的なモデルとして注目を集めている。 その後、同様の試みが県内各地の医療機関と連携して導入され、現在では14の医療機関に75名の教員や指導医が配置されている。この地域医療教育センター・ステーション制度は、大学と地域住民、自治体、地域医療機関等が一体となって「地域で働く医師は地域で育てる」システムを実現したもので、地域医療教育の先進的なモデルとして大きな成果を上げている。 |